食育のこと
現代社会では、外食や中食が普及し、すでに調理された食べ物を手軽に食べる習慣が一般的になっています。いつでもすぐに美味しいものが食べられる便利さの一方で、一人で食べたり、子どもだけで食べたり、食べたいものだけを食べたりといった、食が本来持つ楽しさや多様さが失われる問題も生じています。加工済みの食品は味が濃い目になったり、保存や見た目を整えるための添加物を多く含みがちになったりすることも、特に乳幼児期の子どもの身体の発達への影響が心配されています。
時代とともに食べ物の姿や食べ方のスタイルが変化しても、食べることが人間の身体や心の健康にとってとても重要な行為であることに変わりはありません。将来、様々な便利で美味しい加工食品が周りにあふれていても、子どもたちが自分の食べるべき食品を自分で選択し、豊かな食生活を楽しんで健康でしあわせな人生を歩んで行けるよう、様々な形で「食と心身の健康」「食べることへの関心」「食べ物への感謝」「料理の楽しさ」「食文化の面白さ」を体験することが大切です。
乳幼児期に「食べるしあわせ」を感じる体験を
多くすることが、豊かな人間性を
育むことにつながると考えます。
日々の食生活を通じ、
健康な心と身体を育む
食事は子どもの心身の健康を育むものであり、とても大切なことだと私達は考えています。できる限り農薬や添加物を使わない安全な食材を使用し、塩分や栄養バランスを考えた手作りの給食で、健康な心と身体を育て、自ら健康で安全な生活を作り出す力を養います。
- 日々の給食
- 安全な食材
ともに食べる喜びを感じ、
食べることへの関心を育む
食卓は人と人のコミュニケーションを生み出す場であり、食を通じた交流は良好な人間関係を作る力につながります。子どもたちが周りの人と一緒に食べる時間を楽しく共有し、食べることを楽しいと感じられるよう、給食や行事食を通じて提案しています。
- 日々の給食
- そうめん流しなどの行事食
食べもののことを知り、
感謝の心を育む
食べ物はどこから来るのか?全ての食材は命ある存在だったことを子どもの感性は豊かに感じとります。作物を育てたり収穫したりする体験はその気持ちを育む貴重な機会です。季節感を取り入れながら、子どもたちが主体的に「食べる」ことへの感謝と喜びを感じられるように心がけています。
- 野菜づくり、収穫体験、魚さばき体験など
- 地域の食材、季節の食材
料理する楽しさを感じ、
食べる嬉しさを育む
自ら調理をする経験は食べ物のことを知る貴重な機会になります。野菜の名前を覚え、洗い、皮をむき、小さく切る。時にはちぎったり伸ばしたり遊びの延長の中で、本物の包丁や皮むき器の正しい使い方を身体で覚えていきます。子どもたちの「やりたい」意欲を大切にし、料理する楽しさにチャレンジしていきます。
- 調理体験
- 梅干しづくり、味噌づくり、梅ジュースづくり
食文化の面白さを知り、
食べる喜びを育む
家庭、地域、国等によって、食の文化は様々に異なり、一人一人の人格形成にも大きく関わっています。それらを大切にしつつ、福岡・博多の食文化を知り、季節ごとの日本の食文化を体験して、食べることの楽しさや喜び、食をより深く知る面白さをみんなで分かち合います。
- 餅つき、お節料理などの行事食
- 地域の食文化